バージョンアップの経緯

原形となったのは『OpenMG Jukebox』

SonicStageの歴史を紐解いていくと、1つのソフトウェアとして稼動し続けていたと考えれば十分過ぎるほどの時間の経過と共に進化していったことが分かる。このアプリは2001年に稼動が始まってからそこから約11年という時間もの間バージョンアップを繰り返しながらも、多くの人々に利用され続けていた。バージョンアップは良いとして、x-アプリへとその機能の大半が移譲することが決まった後でも、別バージョンの運営は持続していったというのだから、そういう点を考えれば非常に斬新といえる。

あと少し肝心なことを話し忘れていたのだが、これはx-アプリにも共通していることだがこちらのアプリケーションソフトを手に入れるためには、対応のウォークマンを購入して付属するCDをインストールすることで入手できる。現在ではウォークマン本体の中でデータが内蔵されているため、初期起動時においてパソコンと接続することでインストールすることになる。筆者がかつて所持していたスティックタイプについても同様で、内部に搭載されていたデータをインストールした。またソニー製ということもあって、現在ではブランドそのものを売却して他社に移譲してしまっているが、VAIOのパソコンにプリインストールされていた。

そんなSonicStageもx-アプリの原形となっているが、このソフトもまたその元となったソフトが存在している。1999年に正式発表され、SonicStageが登場する2001年という短い期間だけ稼動していた『OpenMG Jukebox』というものだ。このソフトの最たる特徴としては、バージョン2.0においてインターネット環境が無くてもCD情報を取得することが出来る『HDD CD データベース』という機能があった。これに少しばかり繋がっている機能が、ウォークマン本体に搭載されているものもあるため、名残は何処となく残っている。

SonicStageの誕生と中期

2001年頃、ITに対して積極的に取り入れていくべきだとする世間の機運に乗るように、ソニーは満を辞してSonicStageを発表する。それまでになかったアプリケーションソフトだったこともあって、社内では期待されていたのだろうと予測できる。では実際にどうだったのかと見ると、あまり好意的に見られていたとは言いがたい部分を垣間見ることが出来る。

特にVer2.0に見られる一連の流れに関しては、使い勝手が良くない、動作が緩慢といったような評価を受けていたためソニーとしては予想外の展開だったことだろう。新しい物が登場すれば誰もが好意的に受け入れられるわけではない、すんなりと容認されるものもあれば、非を取り上げればキリがないといわんばかりに批判が集中するケースもあるため、痛しがゆしだ。この話は2004年ごろ、まだアイフォンなどが発売される前だったので、徐々に改善していけば大丈夫だろうと高を括っていたといえなくもない。音楽プレイヤーとして世界的に発展していたことも影響しているだろう。

その後に発表されたVer3.0以降に関しては改善されたポイントとして、

  • ・対応コーデックの追加
  • ・コピープロテクションの緩和
  • ・動作速度の向上

といったような点が挙げられるわけだが、二番目のコピープロテクションの緩和がもたらす状況は先にも軽く話したとおり、海賊版の商品が出回ってしまうという危険性を含んでいる。この機能が開発されたことで、音楽ファイルを使用する際にセキュリティが全くかけられていない、もしくはダウンロードすることによって暗号化を解除出来るようになるなどといったような問題も浮上してきたため、2年をかけて修正が求められるのだった。

終了までの流れ

その後もバージョンアップを繰り返すことになるわけだが、ここに国内専用ソフトウェアとなった経緯を知ることになる。そもそもmoraが誕生したのも、音楽商材の著作権を保護するためにソニーが開設した専用の音楽サイトであり、それまではどのようなサイトからでもインストールすることが可能だったという。つまり、音楽無料で手に入れられるという危機的状況を作り出し、権利などの問題も生じたことで何とかしなければならなくなったという。

最終的にバージョンアップの最終形となるSonicStageⅤが発表されると、国内専用のソフトウェア、ならびにアプリケーションの内容も独自色を出すなどの変更を化すのだった。